お母さんがマイペースなのは何時ものこと…
高校が見えてくると私たちは囲まれる。
黄色い歓声が飛び交う。
ぅ…うるさい。
靴箱に着くまでの間の辛抱だと互いに向き合い無言になる。
靴箱からはまた別の視線で見られる。
双子。謎。風紀違反。
その他もろもろあるけど、1番聞こえてくるのはこのへん。
居心地が悪いにも程がある。
「出羽さん!今日この仕事やってくれない?」
出た。週一のペースで頼んで来るこのクラスのリーダー格女子。
「なんでですか?私も忙しいんですけど…」
この名前分かんないけど…誰だっけ…
まぁこの人たちの所為で貴重な時間を奪うなんて…
「出羽さん。放課後でいいの。だからお願いするわね。」
その言葉を吐き捨てるように言うと、返事すらしてない私から離れていく。
強情強引。キライ
朝から憂鬱なのよ。
「またか。」
後ろから話しかけて来たのは安定の沙季。
「うん。」
今日はどこ仕事なのかすらも言わない。
知らない。もう頭に来る。
「沙羽もあの女も懲りねえな。」
「同感。私は悪くないわ。」
フッと笑みを零すと沙季は自分の席へ戻って行った。
HRも終わり授業。
特に難しいとも思わないし変哲もない授業で暇。