恋愛優遇は穏便に

定時になり、データ処理もちょうど今日の分がきれいにはけた。

勤務表を高清水さんに提出してハンコを押してくれた。


「よいクリスマスを」


「はい。高清水さんも」


高清水さんと栗林さんの幸せにクリスマスを過ごすのだろう。

高清水さんは珍しく時計を気にしていた。

ロッカー室に行き、次の仕事に向かうため、制服から私服に着替えた。

政義さんの会社とも今日で終わりだと思うとほっとするとともに、まだ根深い問題が残っていて気が重かった。

駅前の高層ビル、マークスカイタワーへと向かう。

クリスマスケーキの箱を持っていくサラリーマン、包装したプレゼントをかかえたOLたちが駅へと向かっている。

青や白色、赤や緑色の点灯するクリスマスイルミネーションを見て、ますますクリスマスの雰囲気が高まっていった。

人気のないエレベーターに乗り込む。

階をおうごとに、私の気持ちは複雑になる。

RWGのロゴが見えて、仕事の気持ちに切り替える。

深呼吸し、一枚目のドア、二枚目のドアを開けた。


「むつみチャン、こんばんは」


「こんばんは」


政義さんが少しやつれたようなそんな顔つきをしていた。

素敵なスーツを着ているのに、着崩れているような、そんな感じがした。

今日がここの仕事が最後になるということもあり、メーラーを立ち上げてメールをみると、各部の担当者から仕事の依頼とともに労いの言葉が添えてあった。