恋愛優遇は穏便に

今日がクリスマスだから特別な笑顔をしたの?

それとも私に見せる最後の笑顔とか……。


「ただいま戻りました」


書類を整頓していると、高清水さんが帰ってきた。


「栗林さんとご飯してきました。どうでした?」


「え?」


「所長と二人っきりだったんですよね」


「え、もしかして」


「北野さんとあたしからのクリスマスプレゼントでした」


といってくすくすと高清水さんは笑っていた。


「あ、ありがとうございました」


それ以上、何をいっていいのかわからない。


「所長も乗り気だったから今夜の序章にちょうどいいんじゃないかなーって」


「高清水さん……」


「さて、仕事しますか」


気遣ってくれてうれしかった。

でも、本当のことをいったらきっと北野さんも高清水さんもどういう顔をするのか想像がつく。

気持ちだけもらえて会社でクリスマスプレゼントをもらえてよかったのかもしれない。

お昼をはさみ。午後は週末ということもあり、普段よりも少しだけ受注、発注の数が増えていった。


「森園さん、森園さんてば」


「え、あ、すみません」


「またデータの入れ間違いしてますよ。しっかりしてくださいよ。クリスマスだからって上の空じゃあ、またミスして怒られるのはこっちなんですから」


「ごめんなさい。処理し直します」


浮かれているのは私のほうだ。

今は仕事に集中しなくては。