ハロー、マイファーストレディ!


それから、しばらく二人でワインを飲む。
今後について、真依子の問いに簡単に答える。

仕事は、結婚しても続けて構わないこと。
マスコミにアピールするために、いろいろな場に同伴したり、取材を受けたりする必要があること。
そのために、ファッションについても注目を浴びるように研究する必要があること。

それらについて真依子はおおむね了承したものの、最後には「結構、面倒くさい」とため息を吐いた。

「君の親友にも協力してもらうことになっている。それを見越して、最初から計画について彼女には全て話してある。」
「やっぱり、瞳はグルだったのね。」
「ああ、でも、決して悪意や好奇心からじゃない。純粋に君のことを心配していた。」

そう告げると、真依子は少しだけ頬を染めながら「それは、分かってるけど」と小さく呟いた。

「隠し事することなく、心を開いて話が出来る人物がいれば、少しは心強いだろう。」
「さすが、よく分かってるのね。」
「ただし、外でむやみに話をされるのは困る。誰が聞いているか分からないからな。なるべく、家に来てもらう方がいいな。何なら彼女専用に今ある客間を一つ改装しよう。」
「…ん?客間って何の話?」
「もちろん、結婚後に住む新居の話だ。もっとも、俺の実家だが。」
「は?まさか、私も一緒に住むの?」
「当たり前だろう?別居は、仮面夫婦だと公言しているようなものだ。」
「確かにそうだけど。もちろん、寝室は別よね?」
「いや、寝室も同じだ。」
「え?家の中まで偽装しなくてもいいでしょう?」
「いや、高柳の本宅を維持するには、結構な数の家政婦や使用人が必要だ。そもそも、仕事も続けるつもりなら、今より増やした方がいいだろう。さすがに全員に口止めしたとしても、どこかから絶対に漏れる。」
「え、そんな…」

あからさまに、真依子が狼狽え始めた。