ハロー、マイファーストレディ!


その瞳は、きっと今まで見た中で一番美しく。
気持ちいいくらい、凛としていて。
透き通るほどに、純粋だった。

また、新しい顔だ。

それに気が付いて、俺は自然と口元を緩める。

鉄壁のガードで固められた、いつものクールな表情も。
意外に世話好きで家庭的な一面も。
俺が不用意に触れた時の、少女のように紅潮した頬も。
キスの最中に見せる、無意識に男を煽る色気のある仕草も。
かと思えば、今みたいに突然現れる、強い意志が宿った瞳も。

紛れもなく、全てが彼女で。

鉄壁のガードを一度越えた先には、幾通りもの彼女が待っていた。
事前の調査で、透がリサーチしきれなかったのは彼女の趣味趣向だけじゃない。
内海真依子という人間に触れて、初めて会える“彼女”がいる。
外側から眺めているだけでは決して知ることができなかった姿を知る度に、どうしてか俺は深い満足感を覚えた。

まるで宝探しのように。
俺は知らず知らずのうちに、俺は彼女の新しい顔を引き出そうと躍起になっていた。