「あ、やっと起きましたね。」何度呼んでも起きないのはいつも通りだとコロコロと笑う。私は毎朝この声に引きずり出される。答えたくはないのに応えてしまう。戻ってきたくはないのに戻ってきてしまう。「今日はね、桃色の朝顔が咲いたのですよ。」ただそれだけで、戻ってきてよかったと思ってしまう。