「……終わりって何?…ねぇ、夢から覚めても居てくれる?」


私は、だだをこねる子供のよう。いつまでも貴方の手が離せないでいる。困らせたいわけじゃない、ううん、嘘だよ。きっと困らせたいんだ。無理だって分かってるのに。いつも貴方は私の我儘に困りながらも最後は私の望みを叶えてくれたから。


「それは出来ません」


だけど初めてグイードは私の我儘を断ち切った。





「僕は死んだのだから」


二回目の真実。

嗚呼、その言葉を彼に言わせるべきじゃなかった。


分かってる。分かってるよ。私なんかより何倍もグイードの方が辛い思いをしてる。自分の事が可愛い私なんかより何倍もグイードは私を愛してくれていた事。


「…ねぇ、覚えてる?あ、貴方が…死んだあの日、…私、貴方に酷い事言った。貴方が急用で私と出掛ける約束すっぽかした事で喧嘩して…わ、私、ついカッとなって貴方に…大嫌いって言って……。嘘だよ、本当は、本当は……だから行かないでよ…。お願い、グイード。……私を独りにしないで……」


どうして私は貴方に酷い事ばかり言ってしまうのだろう?どうしてこんなに不器用なんだろう?あの時、私が貴方にあんな事言わなければグイードは怒って出て行かなかったのに。グイードは死ななくて済んだのに。



「キール、僕は怒ってなんかないですよ。ましてや貴方を恨んでなどいない。…それに、貴方が負い目を感じる事なんてありません。……それでも貴方が辛いなら、貴方が悲しむなら、どうか僕の事など忘れて下さい」


「なっ…い、嫌だよう…忘れたくなんかないよぉっ……」


どうして貴方は、そんなに優しいの?どうしてそんなに綺麗なの?どうしてそんなに残酷なの?




「ならば、僕を愛してくれているなら笑って下さい」


覗き込む綺麗な灰色の目に私は吸込まれるようで、目が離せない。そうだ、彼の綺麗な灰色の目を焼き付けておこう。忘れたりしない。絶対に。







「グイード、大好き」


あの日、言えなかった言葉を貴方に。













「僕の方が好きですよ」





グッド モーニング

(バイバイ)(おはよう)