「何があったのか、教えてくれる?」
雅ちゃんにそう言われて、頷いたあと、
誰にも言わないでね、という約束をしてから
岡本くんのお家に居候している事、
園田先輩に告白された事、
その答えを出すのがあと1週間後という事、
その事でさっき岡本くんとケンカした事
全部隠さずに話した。
雅ちゃんは最初はものすごく驚いてたけど、
最後の方では頷きながら聞いててくれた。
「辛くなったの…岡本くんに、園田先輩と付き合うんだね。って言われた事が、
見損なわれた事がすごく悲しかったの。
でも、助けてくれた時はまた別の苦しさがあって、もう何が何なのか、分からないよ…」
私が全部しゃべり終わったあと、
雅ちゃんはそれはね…と言って一度深呼吸をした。
「…恋だよ、すず。
すずは岡本に恋しちゃったんだよ」
私が岡本くんに…恋を……したの?
「好きな人に助けられたり、喜ばれたり、褒められたりしたら胸が締め付けられるように苦しくなるよ。
反対にね、好きな人に見損なわれたり、他の男の子と付き合うんだって言われたりしたら、泣きたいほどに辛くなるんだよ」
「私が園田先輩に感じるドキドキと、
岡本くんに対するドキドキが違うのは、
私が岡本くんに恋をしたから…?」
雅ちゃんにそう聞くと、静かに頷いた。