「俺も、すずちゃんは可愛いと思うよ?」
うわぁ…イケメンな先輩にニッコリ笑顔で可愛いと思うよ?なんて言われたら、ドキドキしちゃうよね…。
「何やってるんですか、園田先輩」
突然聞き覚えのある声が聞こえたと思って振り返ってみると、岡本くんと、遠藤くんが弓道着を着て、大きな荷物を持っていた。
「あぁ!大和先輩、もしかして小鳥遊ちゃんに手を出してます?」
遠藤くんがニヤニヤしながら園田先輩に聞いた。
「本当に、遠藤はそういう話好きだね。
でも2人がここを通るなんて珍しいね?
いつもパシられてるのは知ってるけど、
絶対にサッカー部の周りは来ないよね」
岡本くんと遠藤くんって、いつもパシられてるの!?
「なんか、千尋が今日は絶対こっち。って聞かなくて、いつもなら絶対に嫌。って言うのに珍しいですよね〜」
いつもは嫌なのに、今日は絶対にこっちって来たのって…もしかして……。
「あー、もしかして、すずちゃん?」
自惚れたく無いけど、私もそう思っちゃった。
「別に」
相変わらずそっぽを向いてめんどくさそうに答える岡本くん。
岡本くんって、園田先輩のこと嫌ってそうだよね…。
「遠藤、行くぞ」
「あ!待てって!」
岡本くんがスタスタと此方に向かって歩いてきた。
すれ違い際に小さな声だったけど…
「気をつけてってば、バカ。」
そう言って私を睨んだ。
な、なんだろう、これ。
園田先輩の時とは全然違うドキドキ。
胸がきゅう、って苦しくて、
心臓が壊れちゃうんじゃ?って程ドキドキして、
息をするのを忘れかけた。