「キミじゃ無理だよ。
俺をドキドキさせる事なんて出来ない」




「…っ」




「…今は俺がバカだから、彼女に辛い思いさせてるけれども、離れる気は無いんだ。
だから、キミの気持ちは応えられない」




「そ…う、ですか。ご、ごめんね、いきなり。
来てくれてありがと!」




女の子は泣きそうな表情をしながら走って図書室から出ていった。




…よかった、バレなかった。




そう安心していたら、となりにあったゴミ箱を倒してしまった。




カランカランッ――…




静かな図書室にゴミ箱が倒れる音が響く。