岡本くんの愛し方







「違う」




そう言って、私の頭を持っている問題集の答えで叩く岡本くん。




「~っ!」




それ、結構痛いんだよ!?
そう言いたいんだけど、痛くて言葉が出ない…。




「なんで1分前にやったこと忘れてるの?」




「…ごめんなさい」




反論しようがありません…。
もう、その通り過ぎです。




ついさっきやったことも、すぐに抜けちゃってる。




「小鳥遊さんにはもっとキツくした方が良さそうだね」




「え?」




「今回のテスト、赤点取ったら家帰ってね」




「えぇ!?それは無理だよ!」




だってお母さんに岡本くんがお風呂に入ってる間、電話でいろいろ文句言って、結局私もオッケー出しちゃって…。




家はもう完全に機能停止しちゃったもん!




「無理とかじゃないから。
嫌なら赤点取らなきゃいい話でしょ」




あ、それもそうか!
よ~し!絶対赤点取らないようにしなきゃ!




「岡本先生!よろしくお願いします!!」




「…だから、違うってば」




そう言って、本日何度目か分からないけど、
また問題集の答えで頭を叩かれた。