「すず、早くおいで」
ずるいよ、千尋くん……。
そんなに甘い声出されて、そんなに微笑まれた、行くしかないじゃん…。
ちょっぴり悔しくなりながらも、やっぱり千尋くんには適わず、ゆっくりとだけど千尋くんの傍に行った。
テーブルの方を見て、恐る恐る腰を下ろすと、すぐに後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「千尋くん…?」
千尋くんに顔見られないから良かった…。
きっと今の私の顔は…真っ赤だ。
「いつもならさ、俺の見える範囲にすずがいて、笑ってたり真剣だったり拗ねてたりしてたのに、クラス離れたからすず不足かな」
心臓がドキドキしながら、きゅうってなる。
音…聞こえてないかな?
「…1人だと寂しいよ、ここも」
そう呟いた千尋くんの声は、本当に寂しそうだった。

