「それじゃあ、俺も帰るね」
遠藤くんはそう言って手を振った。
「遠藤くん、ありがとう!」
遠藤くんは私の言葉にニッコリとだけして、
教室から出ていった。
教室には私と千尋くんの2人きり。
「…行こ」
その言葉と同時に、きゅっと何かが手を包む感覚がして視線を落とすと、千尋くんと手をつないでいた。
「ち、千尋くん…?」
「デートってこんな感じじゃないの?
分からないけど……」
そう言ってそっぽを向いてしまった千尋くんの横顔は、ほんのりと赤くなってて、そんな彼が愛おしくてたまらなくなった。
「うんっ、千尋くん大好き〜!」
「何、いきなり。知ってる。」
ふふふ、千尋くんってば照れ屋さんなんだから!
「俺もだよ」