「千尋、杉本さんにすごい怒ってて…」




千尋くんの事だから殴ったりとか、そういう事はしなきとは思うけど…大丈夫かな?




「小鳥遊さん」




突然目の前に影が出来て、顔を上げるとそこには泣き腫らした目をした杉本さんが立っていた。




「…ごめんなさい!」




そして次には、頭を下げて、大きな声でそう言ったので私は何がなんなのか頭が追いついていない。




「私、ちゃんと岡本くんに気持ち伝えて、
ちゃんと振られたから……。
もう未練はないよ。岡本くんよりももっといい人見つけてやるんだから!」




そう言いながら杉本さんは後ろを睨むように振り返った。




「頑張りなよ」




あ、千尋くん…。




千尋くんはいつもの表情でそういった。




「小鳥遊さん……本当にごめんなさい。」




「……少しキツかったけど…、覚悟してたから。
千尋くんと付き合うんだから、きっとこういう事も1度はあるんだろうなぁ、って。」




でも、覚悟したとはいえやっぱり苦しいものは苦しかった。




「ごめんなさい…」




「でも、杉本さんもそれだけ本気だったって事だし
千尋くんは幸せ者だね〜」




そう言って微笑むと、杉本さんも安心したかのように安堵の表情を浮かべた。




「もう、謝らないで!」




「小鳥遊さん…ありがとう!」




杉本さんはそう言って、笑顔でまたねと言って教室から出ていった。