* すずside *
「ん…」
「起きた?」
あれ…目の前が真っ暗だ。
しかも何か包まれてるような安心感。
頭上から聞こえる千尋くんの声…。
あれ…?
「もしかして…」
顔を上げると、そこには整った顔立ちの千尋くんがいた。
「私、寝てた?」
「寝てた」
「どれぐらい?」
「2時間」
何と言うことだ…2時間も泣きつかれて寝ちゃったんだ…。
「ねぇ、久しぶりにご飯作ってよ。
真里さんには連絡してあるから」
「お母さんに連絡したの!?」
真里っていうのは、私のお母さんの名前。
お母さんが千尋くんに、真里って呼んでちょうだい、って言ったのがきっかけ。
「だってもう6時だから。
今の時期外は暗いでしょ。
ご飯作って」
「う、うん…分かった。」
ご飯作るのなんて、本当に久しぶりだなぁ……。
なんて思いながら、名残惜しいけど千尋くんの腕から出て、キッチンへ向かう。

