「こんな女を庇う理由がわかりません!」
そう言って、杉本さんは走って行ってしまった。
「小鳥遊ちゃん、ごめんね…」
「なんで遠藤くんが謝るの?
逆に、守ってくれてありがとう!」
私がそういうと、少し安心したような表情をした遠藤くんと園田先輩。
「やっと、笑ったね」
園田先輩の一言でハッとした。
先輩のいう笑ったね、は作り笑顔じゃなくて、自然体の笑顔ってことだと思う。
「…やっぱり千尋に相談した方がいいよ!」
「で、でも…」
「岡本、悔しいんじゃない?
彼女が頼ってくれないことが、力になれないことが」
悔しがってる……のかな?
「1番に、本当は相談されたいんだよ」
遠藤くんがそう言いながら、私の腕を引っ張って走り出した。
「遠藤、よろしくね〜」
「はい!任せてください!!」
園田先輩は手を振ってから部活に戻ってしまったようで、私は相変わらず腕を引かれながら走り続けてる。