森田当麻の奇妙事件簿2


日向は机の上に置いてあったペンを回しながら答えた。

「うーん。話せば長くなるんだけどね。正直言うと、私、お兄ちゃんの顔とか忘れてたんだ」

「忘れてた?」

「そ。でも、優しかったことだけは覚えてる。スイーツ大好きってことも」

クスリと日向が笑う。

それは今でも全然変わってない。

不器用で、スイーツが大好きな子供っぽい社長……。

「再会したのは、私が大学3年のとき。バス停で数学の勉強してたの。私、数学専攻してたから」

なんか意外だ。

優衣は「へえ」と思わず、感心してしまう。