「あの……山中さんは……」 「あいつなら帰しました。俺もヤクザの集団の中に女を連れていくほどの勇気なんて持ってませんから」 そう言ってドアをパタンと閉めて、探偵社を出ていく。 「……あいつ、さりげなくカッコイイこと言ったな」 ボソッと財津が呟くと、日向がクスッと笑った。 「それだけ大切に思ってるんですよ。優衣ちゃんのこと」 「……本当に変わったな。あいつは」 窓から外をみると、夕焼けの光が、当麻の背中を明るく照らしていた――。