急に二人っきりになって、ユウとレナは少し照れ臭そうに笑った。

「レナ…そのドレス…。」

「あ…うん…。ブライダルファッションショーにね…出ることにしたの…。その衣装なの。」

「そっか…。キレイだな…。」

「リサが作ってくれたの…。」

「うん…似合ってる…。すごくキレイだ…。」

ユウは左手でレナの頬に触れると、指先でそっとレナの涙の跡をなぞる。

「またレナを泣かせちゃったな…。」

「ううん…。ユウ、ちゃんと生きていてくれたから…。それだけでもう、私はいいの。」

「レナ…。」

「本当の別れにならなくて、良かった…。」

レナはユウの手を握り、頬に当てた。

「ユウ、ちゃんと、温かいよ…。」

「レナ…ごめんな…。ひどいこと言って…あんなひどいことして…ちゃんと信じられなくて…本当にごめん…。」

「うん…。」

「オレ…もう死ぬんだなって思った時…レナのことばっかり考えてた…。」

「うん…。」

「せめてレナに謝りたかったとか…こんなオレを信じて愛してくれたこと…ありがとうって言いたかったとか…。それから…。」

「言ってよ、ユウ…。今、言って…。」

「うん…レナ…ずっと…オレの隣にいて、笑ってて欲しい…。オレ、レナがいないとダメなんだ…。」

レナの目から溢れた涙が頬を伝う。

「うん…。私も、ユウがいないとダメみたい…。ずっとユウのそばにいたい…。」

「また、あの部屋に戻って来てくれる?」

「うん…。」

「レナ…愛してる…。」

「私も、ユウのこと、愛してる…。」

「レナのことすごく抱きしめたいのに、手が動かない…。」

「私が、抱きしめてあげる。」

レナはユウを優しく抱きしめる。

「ユウ、つらい時はつらいって言って。私のこと、もっと頼って。ユウの思ってること、ちゃんと話して欲しい…。二人でなら、きっと乗り越えられるよ?」

「うん…。ありがとう…。」

「私は、ユウが望んでくれるなら、ずっとそばにいるからね。私にはユウが必要だから…。」

「うん…。今、思ってること言っていい?」

「うん、何?」

「レナと、キスしたい。」

ユウの言葉に、レナは少し照れ臭そうに笑みを浮かべて、ユウの唇にそっとキスをした。

ユウは、かろうじて動く左手でレナの頭を抱き寄せると、何度も何度も唇を重ねた。

「レナ…愛してる…もう、絶対離さない…。」

「うん…。約束だよ…。」