ユウは、薄暗い部屋で一人、ぼんやりとソファーに身を沈めていた。

レナが出て行って、何日経ったのだろう?

もう自分のことなど忘れて、新しい恋人と幸せな時間を過ごしているのかも知れない。

(こんなことになるなんて、思ってもみなかった…。)

悔やんでも悔やみきれない思いが、鋭利な刃物のようにユウの胸を痛め付ける。


“ユウは私を信じてくれてない。”


そう言って泣いていたレナを思い出すたび、また胸が激しく痛んだ。

週刊誌の記事を鵜呑みにして、レナの言うことなど聞かなかった。


もっと、レナを愛したかった。

もっと、レナに愛して欲しかった。

でも、レナにいつか捨てられるのではないかといつも怖れていた自分が、レナを遠ざけ、この手でひどく傷付けてしまった事実はどうやっても変えられない。


(あの時…地獄に堕ちてもいいからレナをくださいなんて祈ったから…バチがあたったのかも…。)