結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──

(初めて聴く曲だ…。)

ユウはレナと並んで、ヒロと`ALISON´のメンバーの演奏に耳を傾けていた。

ヒロの曲にしてはかなり明るすぎるし、`ALISON´の曲にしては随分と前向きだ。

(まぁ、こんな席だし気を遣ってくれたのかも…。ところでこれ、誰の曲だ?)

演奏が終わると会場は大きな拍手に包まれた。

ユウが、ステージを降りてきたタクミに小声で尋ねる。

「今の、誰の曲?」

「オレだよ。」

「えっ?!」

背後で突然聞こえた返事に振り返ると、そこにはヒロがユウを見下ろして立っていた。

「ヒっ、ヒロさん…!!」

「いつもユウには上から見下ろされてるからな…。たまにはデカイ男を見下ろすのもいいもんだ…。」

「上から見下ろすなんて滅相もない…!!」

(こえぇよ、ヒロさん!!)

「今の曲、ヒロさんが二人のために特別に作ってくれたんだ。今日のためにみんなで内緒で練習したんだぞー。」

「知らなかった…。」

「当たり前だろ。知ってたらサプライズになんねぇじゃねぇか。」

「おっしゃる通りです…。」

ユウとヒロのやり取りを聞きながら、レナはクスクス笑っている。

「キレイな花嫁さんだな、ユウ。」

「ハイ。オレの世界一の嫁さんです。」

「いいねぇ。そういうストレートな愛情表現、好きだぜオレは。今日のオマエ、いつもより男前だな。」

「ヒロさん、ありがとうございます!!」

「おう。幸せになれよ!!」

ヒロはユウの肩をポンと叩くと、レナに微笑みかけた。

「おめでとう。うちの末っ子、幸せにしてやって。コイツも君を一生幸せにするはずだから。」

「もちろんです。」

「頼もしいね。二人の今後が楽しみだ。な!?」

レナの返事に満足そうに笑うと、ヒロはメンバーたちに意地悪そうに笑みを向ける。

「オマエらも早くいい嫁さんもらえ。まさか末っ子が一番先に結婚するとはなぁ…。」

ヒロの言葉に最年長のハヤテが耳を塞ぐ。

「何も聞こえませーん!!」

「オレも聞こえなーい。」

「あーあーあー、オレもー。」

トモとリュウも一緒になって耳を塞ぐ。

「`ALISON´のみんなって、いくつ?」

レナがユウに尋ねる。

「ハヤテ33だろ?トモとリュウが32で、タクミが30?」

ユウが隣にいたタクミに話しかける。

「そう。ユウと同じ年の1月生まれ。学年で言えばひとつ上。シンヤくんと同じ。」

「ホントだ。ユウ、末っ子だね。」

「ユウ、もっとお兄ちゃんたちに甘えてもいいんだよ?」

「なんだそれ…。」

ユウはそう言いつつも、少し嬉しそうだった。