結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──

その後、二人がお色直しを終え再び会場に戻ると、パーティーの第二部が幕を開けた。


深い赤のドレスを着たレナを見て、ユウは愛しげに目を細める。

「レナ、キレイだな。ウエディングドレスも、すごくキレイだった。やっぱりリサさんにお願いして良かったな。」

「うん。ユウもカッコいいね。」

「ありがと…。」

「ねぇユウ、さっきの歌…。」

「あー、もうその話は…。」

ユウは恥ずかしそうに首を横に振る。

そんなユウを見て、レナはふふっと笑った。

「嬉しかったよ…すごく。」

「…うん。」

二人は顔を見合わせて小さく笑った。



そんな二人を少し離れた席から、リサと須藤が見つめていた。

「レナ、幸せそうね。」

「そうですね…。本当に良かった。」

「須藤さん、ごめんなさいね。」

「謝らなきゃいけないのはオレの方です。結婚しようなんて言っておいて、結局はレナを幸せにできずに一人で日本へ帰らせたんですから。本当に申し訳なかった。」

「そんなことないわ。あの子を長い間見守ってくれた上に、ちゃんと巣立たせて自分の足で歩かせてくれて…そのおかげであの子は初めて、自分から手を伸ばして、欲しいものを手に入れた…。本当にありがとう。」

「オレは何もしてませんよ?レナの力で掴んだ幸せです。さっき、式が始まる前に彼にも会いに行ってきました。」

「いい子でしょ?」

「そうですね…。まっすぐにオレの目を見て、レナを一生愛して、守って、幸せにするって言い切りましたよ。レナに、オレより彼を選んだことを絶対に後悔させないって。大したヤツです。レナが小さい頃から想い続けただけはあると思いました。これで安心してレナを任せられる…。」

どこか寂しげに、それでいてとても愛しそうにレナを見つめる須藤に、リサは微笑んだ。

「次はあなたにも、一生愛してくれる人が見つかるといいわね。それとも、もうそんな人がいるのかしら。」

「まさか。リサさんこそ、レナも嫁いだことだし、そろそろ新しい人生のパートナーでも見つけたらどうです?」

須藤の言葉に、リサはおかしそうに笑った。

「私には、亡くなった夫以上の人はいないの。これからも彼を愛し続ける。いつか天寿を全うしたら、また手を取り合って次の人生でも一緒に過ごせるようにね。」

リサは写真立ての中のケンの写真をそっと撫でて、柔らかく微笑んだ。

「ケンもきっと、レナとユウくんの姿を見て、喜んでるわね…。」