結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──

蛇に睨まれた蛙のように、ユウがヒロの笑顔に怯えながら酒を飲んでいると、とうとうドアを開けてレナがバーにやって来た。

店の入り口でキョロキョロしているレナに、タクミが手を振り、大声で呼ぶ。

「あーちゃん、こっちこっちー!!」

店の奥に見慣れた面々を見つけると、レナはホッとしたように微笑んだ。

(あぁ…とうとう来ちゃったよ…。)

ユウは右手で顔を覆う。

「あーちゃん、いらっしゃい!!待ってたよ!!」

「こんばんは。」

レナはコートを脱いで、店の壁のハンガーに掛けると、ユウの隣に座ってニコリと笑った。

「来ちゃった。」

「あ、うん…ごめんな。」

言葉を交わす二人を、みんながニヤニヤして見ている。

(ホントもう、勘弁してくれよ…。)

「あ…レナ、紹介するよ。こちらヒロさん。」

ヒロは呆然とレナを見つめている。

「あの…ヒロさん?」

ヒロはハッとして咳払いをする。

「あっ、ああ。初めまして、ヒロです。」

「オレの…婚約者の怜奈です。」

(婚約者って初めて言った…緊張する…。)

「初めまして…。高梨アリシア怜奈です。ユウが、いつもお世話になってます。」

レナがヒロに、ペコリと頭を下げた。

(レナ、奥さんみたい…。)

ユウが少し照れ臭そうに頬をかく。

「婚約者だって。ユウ、めっちゃ照れてる。」

タクミがニヤニヤして言う。

「タクミ…余計なこと言うな…。」

ヒロが嬉しそうに笑って、ユウの背中を叩く。

「彼女、テレビで見た時より、めっちゃくちゃかわいいな!!ユウ、やっぱりオマエ結婚しなくていいや!!」

「ええっ?!」

「オレの奥さんになってもらう!!」

「はいっ?!」

「ヒロさん、ズルいっす!!オレも狙ってるんですから!!あーちゃん、オレのお嫁さんになってくれるよね?」

タクミが手を挙げる。

「オレも!!オレと結婚して下さい!!」

トモがタクミを押し退け手を挙げる。

「じゃあオレも旦那に立候補しまーす!!」

「リュウも言うなら、オレも…。高梨さん、一緒に明るい家庭を築きましょう!!」

トモに続いて、リュウとハヤテも参戦する。

「な、何言ってんだ?!」

「いいだろ。ユウ、まだ結婚してないじゃん。今ならまだ変更可能だよね、あーちゃん?」

「えっ…あの…。」

突然5人の男に求婚されたレナは、驚きのあまり固まっている。