ブランケットをかけながら 俺と凪子は智和おじさんの前に座り 一言も逃さぬよう しっかり話を聞く。 「本当は俺がする話じゃないんだ」 いつものような軽い話し方が この場にいるとありがたい。 「高校の卒業式のすぐ後に話を聞かされ、その後に家に帰って、家の一番年長者に聞くのが伝統となっている。つまり俺の父さんであるお前のじーさん」 智和おじさんは深く煙草の煙を肺に入れ 味わってから地面に捨てる。 「さぁ、長いぞ」 おじさんは苦笑いして 俺達に話し出す。