私は勇気を出してチョコを出した。




「これさ、バレンタインだから…」



「あぁ…お前もなにげに律儀なんだな」



「あのさ」



「ん?」










「義理じゃないって言ったらどうする?」




私がそう口にした瞬間、吉田の顔が強張ったのを感じた。




「…もし本命なら受け取れない」