「吉田くん。」


俺はまた呼び出しをされていた。


よくあることだ。


この子は…男どもが噂してた隣のクラスの可愛い女子。


「あっあのね、私、ずっと吉田くんのことが好きだったの。


…付き合ってください」


「あぁ、



ごめん……


俺、今誰とも付き合う気がないから…」


「どうして?


…好きな人がいるの?」



好きな人……


『みゆのこと好きなんでしょ?』


足立に言われた言葉を思い出した。


どうしてアイツが思い浮かぶんだよ。


「いや…いない」


「じゃあどうして私じゃダメなの?


別に好きじゃなくていいから…


彼女にしてください」


こんな可愛い子が彼女にしてくださいと言ってるんだから、付き合うべきだよな…


そう思いながらふと窓の外を見ると中庭が見えた。


そこで俺は見てしまった…


悠人と……










渡辺の姿を。