「そういえば、ミルク元気にしてるかな」


「……ミルク?」


「あ、ほらこの前のあの猫の名前。
牛乳いっぱい飲むからさ、名前ミルクにした」



と言って私に微笑む高梨くん。


その笑顔に胸がギュッと締め付けられるようになる。


その笑顔、ほんと心臓に悪い……



「ミルク可愛い名前だね」


「だろ?3日学校にいけなくて、でその後土日だから5日間も会えないんだよ?
俺耐えられるかな」



「ふふっ」


なんかミルクって高梨くんの恋人みたい。


ってことはミルクも私のライバル!?


ほのちゃんといい、ミルクといい、私のライバルは手強すぎる。


この恋、前途多難……



「…………?」



高梨くんがこっちを見つめてくる。


どうしたんだろう。



「……渡辺さんが笑った顔初めて見たかも」


「えっ!?そう?」



私って……


そんなにいつも笑ってないのかな。


ガーン……ショック……



「笑った顔可愛いね」


「え?」



予想外の高梨くんの返答に私は顔を真っ赤にした。


その姿を見てからか、フフッとまた爽やかな笑みをしながら頬に触れてくる高梨くんの手。


徐々に顔が近づいてきてるのは


気のせい……だよね?


胸の鼓動が速くなるのを感じる。


ドキンドキンと大きく弾む心臓。



この距離だと



高梨くんにも



聞こえてしまうのではないだろうか……



「おい」