この男は何を今更小学生みたいなことを言っているのだろう。



「いやいや、今までいろんな女の子と付き合ってきたんじゃないの?」


「それは好きって告ってきた中からテキトーに可愛い子を選んでただけだからな。俺は実際「好き」っていうのがどういうのかよくわかんねぇ。
どういう感じなの?」


「ええっ!?」



予想外の質問に逡巡する私をよそに吉田くんがじっと私を見つめてきた。


その眼差しから真面目に訊いてきていることが少し伝わってくる。



「す、好きって言うのは……


相手の姿見れただけで幸せで


それで目なんて合ったりしたら心臓が止まりそうなくらいドキドキして


それで話したくても話しかけられなくて


その人に好きな人がいて、何度も諦めようと思ったけど、どうしても諦められなくて……


って感じかな」