お互い向かい合って止まると、なんとも言えない空気が流れた。
そこで、俺は気づいた。
普通ならここで、あちらも総長が前に出てくるはずが、総長の蓮見兄は、幹部たちに囲まれていた。
まるで、何かを守るかのように。
喧嘩になることを少し予想していたし、それなりの覚悟はしていたが、
喧嘩にはならなさそうだ。
金蘭は、全くぶつかり合おうとしていないし、むしろこの場から早く去りたい。
という空気感すら感じられた。
長い睨み合いが終わるきっかけは、金蘭だった。
一斉に走り出し、俺たちの間を、
走り抜けた。
メニュー