【楓side】




今でも鮮明に覚えている。瑠依が蓮見家に来た時のこと。




俺と樹がまだ中坊のガキの頃、雨と雷が3日間ほど続いてた日だ。




先代の総長に気に入られていた俺は中学生ながら金蘭の倉庫と家を行ったり来たり。




でもあまりにも天気が悪くて倉庫に行けず家で暇してたんだ。




親父が帰ってきていつもならそのままリビングに来てビールでも飲み始めるのに今日は違かった。




父『楓!樹!バスタオルもってこい!』




いつも優しくてなんならヘラヘラしててアホな親父の真面目な低い声に何かあったのかと樹と玄関に向かうと親父の隣には綺麗な茶髪の少女がびしょ濡れで立っていた。




パッチリしていて綺麗なその目は人生を諦めてるかのように鬱らで全く光を感じられなかった。




でもその時何か、瑠依に惹かれた。




きっとその時から俺は瑠依に惚れてたんだ。