もうこの世に悔いがないのだということが、自分でもわかった。


覚悟はできた。


死ぬ前に少し痛みは感じるだろうが、それも受け入れられるだろう。


俺は薫子からの攻撃を待った。


あの時のように首を絞められてジワジワと殺されるのか。


それともあの時のようにカッターナイフで皮膚を裂かれるのか。


あるいは美奈のように一瞬にして頭と胴体を分裂させられるのか……。


しかし、目を閉じて待ってみても薫子からの攻撃はなかった。


数分が経過した。


おかしい。


どうしてなにもしてこないんだ?


俺はそっと目を開けた。