薫子がパソコン画面に視線をやって言う。


「……どのくらい大きな組織が関係しているんだ?」


俺は薫子を見上げて聞いた。


「わからないなぁ。


あたしが作られた時にはもう販売もできないくらい追い詰められているって言っていたけれど、大きな助っ人でも来たのかなぁ?」


薫子はゆっくりと俺に近づいてくる。


俺は逃げる体力さえ失っていた。


「どっちにしても、あたしには関係ないわ。燈里がいればそれでいいから」


薫子がグッと顔を寄せてくる。


「薫子……」


「なぁに? 燈里」


「この際ハッキリ言っておくけどな」


俺は薫子を真っ直ぐに見返した。


「俺は、お前なんか好きじゃない」


それはすべてを終わらせる言葉だった。