気が付けば俺は自分のベッドの上にいた。


窓から差し込む光はなく、夜だと言う事がわかる。


少し身動きをすれば右肩がひどく痛み、その瞬間夕方に起きた出来事をすべて思い出した。


「くそ……」


俺は小さく呟き、右肩を見る。


肩にはフェイスタオルが巻かれたままになっていて、ゆっくり解いてみると血はすでに止まっていた。


カッターで切られた部分はまだ塞がっておらず、白い肉が見えている。


俺は右肩を庇いながら上半身を起こし、部屋の中を見回した。


電気はついていないが月明かりで十分に周囲を確認することができる。


時計の針は夜の12時を指している。


あれから俺はずっと気を失っていたことになる。


だけど、ここにいるということは誰かが俺をここまで運んだという事だ。