それは突然の出来事だった。


昼休みに入り昼食を取ろうとしていると、諒が俺の机の前に立った。


ここ数日間諒は俺を故意に遠ざけていただけに、戸惑いをかくせなかった。


「ちょっと話しがあるんだ。いいか?」


諒はムッとした表情で威圧的に聞いてくる。


それは質問というよりも強制と言っていいような話し方だった。


「あぁ……いいけど……」


俺は開きかけた弁当箱を元に戻し、立ち上がる。


諒は無言のまま教室を出て歩き出した。


付いて来い。


ということみたいだ。


無言のまま歩き続ける諒は俺を旧校舎まで誘導した。


旧校舎の埃っぽさは相変わらずで、俺は少しせき込んでしまった。