結音に別れを告げた俺は1人で家までの道のりを歩いていた。


美奈の病室に顔を出す気にもなれず、どこかによって帰る気にもなれなかった。


真っ直ぐ帰って1人になりたい。


そんな気持ちでいっぱいだった。


でも、帰ったところで俺は1人にはなれない。


家には薫子がいるのだから。


薫子の顔を思い出すと足取りは重たくなる。


帰りたいけれど帰りたくない。


そんな感情が入り乱れる。


青空の下歩きながら、俺はふと視線を横へずらした。


4人で待ち合わせ場所として使っていた公園がある。