俺は美奈の病室から出て、真っ直ぐ結音の病室へと向かった。


結音の顔が見たかった。


今すぐにでも目覚めてほしかった。


結音がいればすべてうまく行く。


4人で仲良くしていた頃の歯車に戻るハズだ。


そんな思いだった。


俺は足早に廊下を抜けて結音の病室の近くまで来る。


と、その時だった。


俺は自分の足にブレーキをかけて立ち止まった。


結音の病室の前に見慣れた後ろ姿がある。


「諒……」


俺は小さく呟く。