彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐

それだけだからこそ、難しかった。


できなかった。


楽しむように首を絞めてくる薫子を思い出すと、背筋は一瞬にして冷たくなる。


あんな状況でどうやってスイッチを切ればいいのだろう。


わからない。


俺は痛む頭を押さえて歩道の上で立ち止まった。


解決策がどこにもない。


出口のない迷路の中にいるような感覚だ。


「山下陽子……」


俺はサイトで見た女性の名前を呟いた。


調べてみる価値はあるかもしれない。


薫子が山下陽子なら俺を殺して魂を奪い、どこかへ帰るつもりだ。


帰る場所がわかれば、そこに先回りをして命乞いくらいできるかもしれない。