病院が近くなると諒からメールがあった。


ロビーで待っているとのことだった。


俺は息を切らせて病院へ駆け込む。


「燈里!」


大きなロビーの中、諒がすぐにかけてくる。


「諒。美奈は?」


「少し前に手術が終わって今個室に移されたところだ」


「そうか……」


それ以上かわす会話もなく、俺と諒は美奈のいる病室へと向かった。


個室の前には何度かあった事のある美奈の両親がいて、俺は軽く会釈をした。


「久しぶりね燈里君に諒君」


「お久しぶりです。あの……美奈は……」


「今はまだ眠っているわ。でも命には別条はないって、お医者さんが」


その答えに俺と諒は同時に肩を落とした。


術後だから一旦個室へ入っているだけのようだ。