俺はそのことにしばらく気が付かなかった。


その間に薫子は美奈と接触し……。


最悪な考えが頭をよぎる。


俺は強く頭を振ってその考えを打ち消した。


ただの考えすぎかもしれない。


美奈は足を滑らせて歩道橋から落ちてしまっただけかもしれない。


薫子が関係したとは限らない。


「その病院……どこ?」


俺はなんとか声を振り絞り、諒から入院先を聞いた。


それは結音が入院している同じ病院だった。


電話を切り、すぐに病院へ向かったのだった。