燈里はあれほどまで結音を思っている。


人形に頼ってしまうほど、結音を愛している。


あたしが入る余地なんてない。


わかってる。


だけど気持ちは止まらなかった。


自分で制御することなんてできなかった。


自分から苦しい道を進んでいると理解していた。


だけど、後戻りなんてできなかった。


だから、燈里が意気消沈し普段の元気をなくしてしまっていた頃はあたしもつらかった。


そんな燈里、見ていたくなかった。


諒と2人で元気づけて少しでも笑ってくれると、あたしも本気で嬉しかった。


だから……。


だから、人形を買った後の生き生きとしている燈里を見たとき、二度とこの人に悲しい顔をしてほしくないと思ったんだ。