あたしは諒に手を引かれて燈里の家を出た。


坂道をどんどん進んでいく諒に、あたしは必死で歩調を合わせる。


「ちょっと諒! これじゃ一体何しに燈里の家に言ったかわからないでしょ!?」


あたしは後ろから諒に声をかけた。


諒が怒るのは無理のないことだと思う。


けれど感情的になって喧嘩していても解決はしない。


「薫子ちゃんが狂暴にならなければそれでいい。その話し合いのハズだったのに!」


あたしがそう言うと、諒は突然立ち止まり振り向いた。


その顔にはまだ怒りが滲んでいる。


諒はあたしの手を乱暴にはらった。


「人形と話し合いなんてできると思ってんのかよ」


「でも……」


「相手が人間なら話し合ってわかるかもしれないけどな、相手は人形だぞ?」


「わかってるよ……」