それから放課後まではあっという間に過ぎて行った。


諒も美奈も今日は口数が少なく、笑い声はあまり聞こえてこなかった。


2人とも気にしているんだ。


俺のことを。


これから人形をどうすればいいのかを。


そして一番起こってはいけない事態も視野に入れている。


俺が薫子に殺されてしまうという事態を。


だから、どうしても冗談を言って笑う気にはなれなかったのだ。


放課後が近づくにつれて心臓は鋼を打ち始め、重たく暗い気分になっていく。


いっそこのまま学校が終わらなければいいのに。


そんなことまで考えてしまう。


しかし時間はみんなに平等だ。


それは時に残酷なほどに。