結局美奈はそれが一番に言いたかったことなんだ。


遠まわしに噂話しなんてしていたけれど、話の本質はここにある。


そうとわかると俺は自然と笑顔を作ることができた。


なんだ。


そんなことか。


俺の笑顔に美奈もホッとした表情になる。


「わかった。教えてくれてありがとう美奈」


「ううん。話せてよかった」


俺も、よかった。


世界には3人似た人間がいるという。


もしそれが本当なら、結音に似た女の子がもう1人いるということだ。


そう考えた俺はにやけずにはいられなかった。


どこにいるのだろうその女の子は。


会ってみたい。


会って抱きしめてみたい。


薫子のように、俺の手の中に入れておきたい……。