お小遣いが入ったのか5千円札が1枚見えた。


「サンキュな」


500円玉を俺の手のひらに乗せる。


「別に急がなくてもいいのに」


「返せる時に返さなきゃ、使っちまうだろ」


アルバイトの経験がない諒は真剣な表情で言う。


俺はバイト代をためて彼女人形を買い。


余ったお金を少しづつ小遣いとして使っている。


500円を稼ぐのがどのくらい大変か、身にしみて理解していた。


だから、諒がお金を大切にしているということも、十分伝わって来た。


普段はふざけた事を言い合ったりしているけれど、根は真面目なんだ。


2人で教室に入ると、美奈がすでに自分の席に座っていた。