朝脱いだ薫子の部屋着がそのままの状態で押し込まれている。


俺は手早くそれをとり薫子に渡した。


「ありがとう」


薫子がうるんだ瞳で見つめてくる。


口元は微かに開き、『ありがとう』と動く唇が妖艶に感じた。


次の瞬間……。


俺は薫子を抱きしめていた。


暖かな肌。


柔らかな肉体。


結音で感じることがなかったものたちが、今腕の中にあった。