そう思い振り返る。


そこには部屋の中央でワンピースを脱いでいる薫子の姿があった。


脇の下あたりからウエストまであるファスナーは開けられて、肩紐は外れている。


「ちょっ……!」


慌てて止めようとしたけれど、遅かった。


一枚の大きな布が薫子の足元へと落ちる。


あらわになる白い肌。


うすピンク色の上下の下着。


それら目前にして俺は言葉を失った。


見てはいけない。


そう思うのに、目をそらすこともできなかった。


体中の血液が駆け巡り、オスの本能をかりたてる。


薫子が頬を赤らめた状態でこちらへ視線を送り、「服……」と、小さな声で言った。


その声にハッとして、慌ててクローゼットへ向かう。