学校に向かって歩いてる途中



「お前さなんで早歩きで歩いてんだよ
俺のこと嫌いなの?」


明らかに俺から離れようとする栗原に俺はイラっとしていた


それでもこちらを見ることなく栗原は歩く



「別に嫌いじゃないよ」



「じゃあ早歩きやめろよ
慣れてない相手にビビるとか弱虫だな
ビビり。意気地なし。華奢。」


栗原はこの世のものとは思えない顔で俺の言葉を受け止めた


メンタルが弱すぎるなこいつ




仕方なくというように栗原は俺に歩くペースを合わせる


いや、むしろこれが普通のペースだろ




そんな中普段の生活では決してあり得ないであろう姿が目に映る




栗原も二度見する


どういうことか



俺らの前に白いうさぎが現れた



「なんだ?うさぎがいるぞ?」


「なんでここにいるの?」



飼ってたうさぎが脱走したのか

はたまた野良うさぎなのか



わからなかったが俺らはうさぎに近づく


「栗原、お前左からまわり込め!
俺は右から行くから挟み討ちだ」


「え?捕まえるの?かわいそう…」



「いいから!」



そう言っても栗原は俺の背後に立って動かない



くそ、使えねーな



仕方なく俺は一人でうさぎに近づく


しかし意外にもうさぎはすばしっこく俺の股をすり抜けた



しかし股をすり抜けた先に栗原がいる



俺は後ろを振り向いた


「いまだ栗原!捕まえろ!」



しかし振り向いた瞬間俺は思わず目を飛び上がらせる



うさぎは栗原に懐いていた



「え!?なんで!?」


「かわいい」



なんで栗原に懐くんだ!おかしいだろ!



と思ったが俺はすぐに理由がわかった



人参バーだ



うさぎは栗原の持ってる袋の匂いを嗅ぎ始めた


それに気づいた栗原は人参を一本あげてうさぎの頭をなでた