「あの、大きな楠の下で待ち合わせね!」
待ち合わせ場所は毎日同じで、いつしかその言葉を口にしなくても毎日私たちは一番大きな、映画にでもなりそうな楠の下で遊んでいた。花の蜜を吸いに出かけたり、家に持ち帰るために花を摘んだり、まだ見ぬ虫や草花を探して暗くなるまで遊んだ。