「こんばんは」ニコ

「こんばんは」

今、笑って挨拶してきた人は王龍っていう、暴走族の総長。見た目も地位も頭も良いから世の中の女は、寄ってくるほどのスタイルもいい。

「優姫、最近顔を見せに来ないけど、何かあったの？」

「ううん、何もないよ。ただ、毎日忙しのよ」

「それより、枢こそ大丈夫なの？
瑠奈から余り寝てないって聞いたよ」

「あぁ、大丈夫だよ。ただ優姫が会いに来てくれないからかな？」

「か…かな…枢」///

「ニコ、ちょっと、君をいじめ過ぎたかな」ニコリ

「でも、君が悪いのがいけないんだよ優姫」

「分かった。今度、行くから」

「うん、分かったよ。
　皆には、僕から言っとくよ」ニコリ

「うん」

この時の私は、気づかなかった。私たちの背後からこちらを見る人に、そしてその人が呟いたことに気づかなかった。