今夜もいつも通り出勤して、
珍しく今日はアフターはなかったから同じ店で働くキャストのマナミと出勤後飲みに行った。



「おつかれ〜〜〜！！！」

相変わらずテンションが高いマナミ。
ビール片手に乾杯をした。



「美華と飲みに来るなんて久しぶりじゃない？
店では毎日会ってるのにねーっ！」

マナミはそう言ってビールをグイッと飲んだ。


「美華、今月も絶好調じゃん！
さすが伝説のキャバ嬢神崎美華！」

「もー、やめてよ（笑）」

「仕事の話はさておき、どーなの？最近。」

「なに、最近って。
いたって普通……かな」


そう言った時、なぜかあたしの頭に翔の顔が浮かんだ。


「嘘！なんかあったんでしょ！
もしかして男！？？？」

「バカ。そんなのないって。
恋愛なんて、バカバカしい。」

あたしはそう言ってタバコに火をつけた。



そうだよ。
恋愛なんて バカバカしい。

たかが1人の男に、悩んだり泣いたりなんてとてもじゃないけどあたしはしたくない。

なんのためにそれほどにまで人を好きになるのか分からない。